漫画のコマ割りで時間経過を表現するテクニック

漫画のコマ割りでどうやったら時間経過を表現できる？
文字じゃなく絵で時間が経過したことを見せたいのだけれど・・・

そんな疑問に答えます

コマの中に何本か斜線を引く、小さなコマを重ねる
トーンで明暗をつけることでも時間の経過を表現することができますよ

どの時間帯で何をしているのかの状況が読者に伝わる
そんな読みやすい漫画を目指してみませんか？

時間経過を表せる描き方・4パターン

①斜線を引いて時間経過を表す

一番簡単なのはコマの右側に斜線を引いて表す方法です

一番右側の線はコマいっぱいに
左側に描く線はだんだん短くしていくと時間の経過を表現できます

線の本数は2～3本くらい
もうちょっと増やすと少し長めの時間経過も表現できますよ

②シンプルな四角形のコマを描いて経過を表す

コマの右側に四角形の何も描いていないコマを１～３コマ描きます

これも右から左にいくにつれてだんだん小さくすると、読者に前のコマから時間がたったのだと伝わりやすいです

●１～２コマなら数分から数時間
●２～３コマなら一日経過
など、コマの数で短い・長いを伝えることもできますよ

時間経過のコマにトーンやカケアミで
●暗い→明るい
●明るい→暗い
の明暗をつければ

朝から夜への表現
嫌いだった相手が少しずつ好きになっていく
といった時間や感情の変化を表現できます

③同時刻、二人が別々の行動をしているところを描くには？

1ページ内で別々の場所にいる2人が同じ時間に行動している、という場面を描きたい場合は縦と横のコマとコマのあいだの空白をいつもと逆にすることで表現できます

いつもは横と横の空白が狭く、縦と縦の空白が広くなるように枠線を引いていますが今回はこれを逆にします

横を広くとることで別の場所で行動していることを伝え、縦を狭くすることでそれぞれが同じ時間だけど、別の場所で行動していることを読者に感じてもらえるように描きます

④ 何ヶ月・何年という長めの時間が経過したのを表したい

長い時間の経過を表現するには、コマに斜線を引く・シンプルな四角形を使うのと組み合わせて

中学から高校へ進学なら制服を変える
短い髪が長くなった
雪が降る表現から桜吹雪になる

といった環境と人物の変化を一緒に描くと長い時間が過ぎたと読者に感じ取ってもらえますよ

時間経過のコマを描く位置

ここじゃないとだめ！といった決まりはないのですが

右ページの右上
左ページの右上
ここに時間経過・場面転換のコマがあると読みやすくなります

ページの真ん中よりは切りのいい場所に配置すると自然です

・・・ちょっと待って！
右ページの右上は重要なことを描くコマでは？と気づいた人は正解です！

『得意に変わる漫画のコマ割り方法で苦手にさよなら』で紹介したように、右上はとても重要なコマです
でも毎回、前ページの左下で布石→めくって重要の同じパターンだと読者に飽きられてしまいますよね

時間経過のシーンもたまに入れることによって、布石のコマ→ページをめくる→重要なコマのおどろきとインパクトが活かせます

時間経過のコマを右上に入れるときは、右下や左ページで大ゴマを使ってみてください
コマ割りにメリハリが生まれますよ

☆まとめ☆漫画のコマ割りで時間経過を表現するテクニック

時間の経過がしっかりと表現できていると読者が漫画の流れを理解しやすくなります

映画の場面転換は漫画のコマ割り・時間経過の参考にもなるので「あ、この切り替えは好きだな」と思うシーンがあったら、簡単に絵コンテにして残しておくと自分の漫画の参考にもなりますよ

以上、漫画のコマ割りで時間経過を表現するテクニックでした